停車中に追突された場合の対応と注意点:広島で追突事故に遭われた方へ

「信号待ちで停車していたところ、突然、追突された」 「相手方の保険会社から治療費の打ち切りを言われたが、まだ首や腰に強い痛みが残っていて、納得ができない」 「自分に全く過失がない事故なのに、自分の加入している保険会社が相手方との示談交渉を代行できないと言われて困惑している」

このような深刻なお悩みを抱えている方はいませんか。

車両同士の事故のうち、発生頻度が最も高い類型が追突事故になります。特に赤信号での停車中や渋滞での停車中など、こちらが完全に停止している状態での追突事故は非常に多く発生しています。

広島県の統計でも、令和7年中に発生した車同士の事故2656件のうち、実に1186件(約45%)が追突事故になります(引用元: 「広島の交通統計 令和7年版」広島県警察本部交通部)。

追突事故の被害に遭われた場合には、事故直後から治療の進め方、後遺障害の認定、そして示談交渉に至るまで、いくつかのポイントに注意を払う必要があります。怪我が十分に治っていないにもかかわらず治療費を打ち切られたり、後遺障害の認定に必要な検査を受けていなかったりして、結果的に、本来受け取るべき正当な賠償金を受け取れなくなるリスクがあります。

本記事では、弁護士法人ラグーン広島支店が、追突事故の被害に遭った場合の注意点や、被害者が直面しやすいトラブルとその解決策について、専門的な観点から解説いたします。

1 被害者側の保険会社が交渉を代行してくれない

追突事故における過失割合ゼロの現実

追突事故、特にこちらが完全に停車している状態で後方から追突されたというケースにおいては、被害者側の過失はゼロ、すなわち過失割合10対0となることが通常です。法的にみても、前方を注視して安全に停止している車両に対して、後方から進行してきた車両が衝突した場合、停止していた車両は事故を回避する余地がないため過失がなく、追突した側にすべての責任があると判断されます。

被害者の方からすれば、自分に一切の落ち度がないのだから、自分が加入している保険会社がすべて間に入って相手方の保険会社と交渉を進めてくれるだろうと期待されるのが自然な心理です。しかし、ここに大きな問題が存在します。

示談代行制度が利用できない法律上の理由

こちらに少しでも過失がある事故、たとえばお互いが動いている最中の衝突事故などの場合であれば、ご自身が加入している保険会社の担当者が示談代行制度に基づいて、ご自身に代わって相手方の保険会社や本人との交渉をすべて対応してくれます。これは、自身にも過失がある以上、相手方に対して何らかの賠償金を支払う義務、すなわち債務が発生するため、保険会社が自ら支払う保険金の額を確定させるための利害関係者として交渉の当事者になれるからです。

しかし、こちらに過失が全くないもらい事故の場合、ご自身が加入している保険会社には相手方に対する賠償義務が一切発生しません。法律上、賠償義務がないということは、保険会社が被害者の方に代わって相手方と交渉を行う法律上の権限を持たないことを意味します。もし、賠償義務がないにもかかわらず保険会社が他人の示談交渉を代行してしまうと、弁護士法第72条が禁止する非弁行為(弁護士以外の者が報酬目的で法律事務を扱うこと)に抵触する恐れがあるため、保険会社は交渉の席に立つことすらできないのです。

被害者自身が直接交渉する精神的・肉体的な負担

過失がない、つまり被害者側に一切の責任がない状況のほうが、制度上不利に扱われているように感じられるかもしれません。しかし、あくまで法律上はこのような扱いとなっています。

この結果、何が起こるかというと、事故による怪我の痛みや精神的なショックを抱えた状態のままで、被害者自らが相手方のプロの保険会社担当者と直接対峙し、示談交渉を進めなければならなくなります。相手方の保険会社は、交通事故の示談対応を日常業務として行う交渉のプロです。特に広島は中国地方の拠点として各保険会社がサービスセンターの拠点を置いており、その分、経験を重ねた担当者が対応することは少なくありません。専門知識のない被害者個人が、法律論や過去の判例を引き合いに出して交渉を進めることは極めて困難です。結果として相手方の言われるがままに不利な条件で示談を成立させてしまうケースが少なくありません。

2 慰謝料の金額が弁護士への依頼で増額しやすい

むち打ち損傷の特性と診断の難しさ

追突事故で怪我をされた場合、最も多く見られる診断名がむち打ち損傷です。これは診断書上では、頚椎捻挫、腰椎捻挫、外傷性頚部症候群などと表記されることが一般的です。

むち打ち損傷による症状は、首や腰の痛み、手足のしびれ、頭痛、めまい、吐き気など多岐にわたりますが、これらの症状には他者から見て症状の存在が分かりにくいという非常に厄介な特徴があります。骨折のようにレントゲン写真やCT画像で一目で骨の異常が確認できるものとは異なり、神経や筋肉の微細な損傷は一般的な画像診断では写りにくいのです。そのため、医師や相手方の保険会社に対して、本人が訴える強い痛みやしびれといった自覚症状が本当に事故によって生じ、現在も持続しているのかを客観的に証明することが困難になります。結果として、保険会社から本当に症状が持続しているのか疑問視されることも多くなってしまいます。

保険会社による治療費打ち切りのリスクとその対策

事故から数ヶ月が経過すると、相手方の保険会社から「そろそろ治療開始から3ヶ月が経ちますので今月末で治療費の支払いを打ち切ります」といった連絡が入ることが多々あります。ときには、「むち打ちは軽傷です。まだ痛むんですか?」等と冷たい言葉を発されることもあるかもしれません。

これは保険会社が自社の支払う賠償額を抑制するために、一般的なむち打ちの治療期間の目安を根拠に、治療の中断や終了を促してくるものです。その結果、治療中であるにもかかわらず一方的に治療費の支払を打ち切られるという事態に発展するケースは、決して珍しくありません。

しかし、身体の痛みや不調が残っているにもかかわらず、保険会社から一方的に言われたからといって安易に応じて、治療をやめてしまうことは絶対に避けるべきです。なぜなら、交通事故の慰謝料は、原則として治療のために医療機関に通院した通院期間を基本として算出されるからです。例えば、通院期間が半年間であれば慰謝料は裁判基準で89万円ですが、3か月間であれば53万円になります。早期に治療を打ち切られて通院をやめてしまうと、法的な意味での治療期間が短くなってしまい、結果として受け取れる慰謝料の金額も少なくなってしまいます。

慰謝料算定における基準と実通院日数の関係

交通事故の慰謝料の算定においては、通院期間を基本としつつ、例外的に通院頻度、すなわち実通院日数を考慮して決定されます。

交通事故の賠償実務には、裁判基準・弁護士基準と呼ばれるものと、自賠責基準と呼ばれるものが存在します。裁判基準や弁護士基準とは異なり、自賠責基準では実通院日数が非常に重要となります。具体的には、総治療期間と実通院日数を2倍した数値を比較し、少ない方の数値をベースにして慰謝料が計算される仕組みになっているため、痛みを我慢して通院頻度を極端に減らしてしまうと、自賠責基準による計算でも慰謝料が非常に低くなってしまいます。

一方で、弁護士が介入した場合に適用される弁護士基準(裁判基準)であれば、原則として実通院日数だけに過度にとらわれず、全体の通院期間を基礎として、より被害者の実情に即した高い水準での慰謝料が算定されます。この基準の違いだけで、受け取れる慰謝料の金額が大きく変わることも珍しくありません(ただし、通院期間に対して通院頻度が極端に少ない場合には実通院日数の3倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることもあります。)。

むち打ち損傷と後遺障害等級認定

むち打ち損傷による症状の多くは、適切な治療を継続することによって徐々に快方に向かい、最終的には治療によって完治することが多いといえます。しかし、最善の治療を尽くしたとしても、首の痛みや手のしびれなどの症状が完治せず、将来にわたって症状が残ってしまう場合があります。これを後遺症と呼びます。

交通事故において後遺症に対する補償(後遺障害慰謝料や逸失利益)を得るためには、後遺障害としての等級認定を受ける必要があります。しかし、むち打ち損傷による症状は他覚的所見に乏しいことが多いため、仮に痛みやしびれなどが残ったとしても、後遺障害として認定されるのは一部にとどまります。そして、認定されるためには、画像の検討、必要な検査の実施、症状の後遺障害診断書への正確な反映等が必要で、道のりは決して簡単なものではありません。

認定されたとしても、後遺障害のなかでは比較的軽微な後遺障害として評価されるのが一般的であり、具体的には14級か12級のいずれかに認定されることがほとんどです。

このことから、被害者側の多大な心痛とは反対に、加害者側の保険会社や審査機関において、むち打ち損傷による症状が軽視される可能性が少なからずあります。

被害者自身に十分な知識がなければ、症状が残っていてもいずれ治るだろうから我慢しようと考えて、後遺障害の申請手続き自体をしなかったり、必要な検査を受けないまま後遺障害の申請をしてしまい適切な後遺障害等級の認定がなされなかったりするという事態が生じるリスクがあります。

一度示談が成立してしまうと、後からやはり痛みが残っているから追加で請求したいと思っても、原則として覆すことはできません。だからこそ、後遺障害の申請を行う前段階、すなわち治療中の早い段階から、交通事故案件に精通した専門家に相談しておくことが重要となるのです。

3 追突事故における弁護士への依頼の重要性と弁護士費用特約の活用

被害者と加害者側の保険会社の対等な関係を構築

追突事故の被害に遭われた場合、上述の点に十分注意をして、保険会社との話し合いを進める必要があります。加害者側の保険会社は、事故対応や損害賠償の交渉に関する圧倒的な情報量と経験、そして法的知識を持っています。これに対して、一生に一度経験するかどうかという交通事故の被害者個人が、対等な立場で議論を交わし、適正な賠償をしてもらうことは現実的に困難と言わざるを得ません。

被害者側としては、加害者側の保険会社と対等に交渉するため、そして、正当な治療を受けて適切な賠償金を受けとるために、弁護士へ依頼することを検討する必要があります。弁護士が被害者の代理人として対応することで、保険会社は不当な(医学的な根拠に基づかない)治療費の早期打ち切りを提示しにくくなり、慰謝料の算定も最も高い弁護士基準(裁判基準)をベースに行わざるを得なくなります。

何よりも、被害者の方としては、煩わしい保険会社とのやり取りをすべて弁護士に一任できるため、余計なストレスから解放され、怪我の治療とリハビリに専念することができるようになります。

弁護士費用特約という強力な味方

弁護士に依頼すると、高額な弁護士費用がかかってしまい、結局手元に残るお金が少なくなってしまうのではないかという不安を抱かれる方は非常に多いです。

しかし、ご自身が加入している保険に弁護士費用特約が付帯されていれば、その心配はほとんど不要になります。弁護士費用特約に加入されていれば、ほとんどのケースで弁護士費用のご負担なく弁護士へ依頼することが可能となります。弁護士費用特約とは、交通事故の被害に遭った際に、弁護士への相談費用や、示談交渉・訴訟を依頼する際にかかる弁護士費用をご自身が加入している保険会社が代わりに負担してくれる極めて利便性の高い特約です。

追突事故、特にむち打ち損傷などの事案においては、全体の弁護士費用が特約の限度額を超えるケースは極めて稀であるため(限度額は300万円が多いと思われますが、実際にかかる弁護士費用は後遺障害14級の事案で概ね50万くらいです)、自己負担額ゼロで弁護士へ依頼することが可能となるケースがほとんどです。また、この特約を使用しても保険の等級が下がることはありませんので、翌年からの保険料が上がる心配もありません。ご自身だけでなく、ご家族が加入している保険の特約が使える場合もありますので、特にご相談をおすすめします。

弁護士法人ラグーンによる無料チェックサービスのご案内

弁護士費用特約に加入されていない場合であっても、弁護士へ依頼するメリットは十分に存在します。また、弁護士法人ラグーン広島支店では、弁護士費用特約の有無にかかわらず、慰謝料・賠償金額の無料チェックサービスも実施しておりますので、お気軽にお問合せください。

このサービスでは、現在の治療状況や、相手方の保険会社から提示されている賠償額の提示書を精査し、それが法的に適正な金額であるかどうか、弁護士が介入することでどれほどの増額が見込めるかを事前に無料で診断いたします。診断の結果、弁護士費用を支払ったとしても手元に残る賠償金が増えると判断できる場合にのみ、正式なご依頼をご提案しておりますので、費用面でのリスクを負うことなく安心してご相談いただけます。なお、ラグーン広島支店では、当初は増額見込みでも、交渉等の結果として弁護士費用分以上に賠償額が増額しなかったときは、頂戴する弁護士費用は賠償額の増額分の範囲内とさせていただいております。

交通事故の被害、特に後方からの予期せぬ追突事故は、その後の日常生活に長きにわたる悪影響を及ぼすことがあります。広島支店を開設し、地域に密着した法的サポートを提供する弁護士法人ラグーンは、被害者の方が一刻も早く平穏な日常を取り戻せるよう、親身になって全力でサポートいたします。一人で悩まずに、まずは当事務所までお気軽にお問い合わせください。

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