
一人暮らしの無職女性に逸失利益と休業損害が認められた事案
- 自転車
- 後遺障害
- 11級
- 12級
弁護士法人ラグーン 広島支店(広島弁護士会所属)
子どもの事故について、ご両親が知人からラグーンを紹介され、来所されました。
顔面の傷跡について後遺障害の認定がなされ(12級14号)、すでに保険会社から賠償金額の提示もなされていました。
適切な金額であるのか判断ができず、相談時に担当弁護士から「提示額は極めて低い」との説明もあったことから、弁護士に交渉を依頼することになりました。
介入前に依頼者が提示されていた内容を確認したところ、認定された後遺障害の内容が醜状障害であったことに加えて、事故に遭われた当事者が小学生であったこともあって、逸失利益の金額は非常に少ない金額でした。
総額としては、自賠責基準に近い金額の提示しかなされていないという状況でした。
明らかに不当な内容でした。
弊所が介入した後、速やかに損害計算をして交渉を開始しました。
特に、逸失利益については、保険会社から、女児であることから女性平均賃金によるべき等の主張がなされましたが、当方からは、赤い本の講演録等(賠償実務の最新の動向を記載した書籍のうち、裁判官による解説が掲載されたもの)の記載を引用して、近時の傾向として男女全年齢平均賃金によるべきとの反論をしました。
最終的には、当方の主張を採用してもらうことができましたので、示談となりました。
「学生なので収入がないから逸失利益はない。」、「女の子なので、女性の平均賃金によるべき」。このように保険会社から言われると、「あぁそうか…。そんなものかな」と感じてしまうことがあるかもしれません。
この度のケースでも、依頼者のご両親は保険会社から提示を受けた時点で、上述のような感想を抱いたそうです。
確かに、全国や広島県で発表されている毎年の賃金統計をみても、現状、男女で賃金差(女性のほうが少ない)があるという事実を否定することはできません。
しかし、男女の賃金格差は以前に比べて解消してきており、いまの世の中、女性は当然のように社会で活躍しています。
被害者が年少者である場合、実際に働き始めるときの社会は、いまよりもさらにこのような差が意識されることはなくなっていることでしょう。
少なくとも年少者について男女差を認める合理性は失われているのです。
実際に、平成11年に東京地裁、大阪地裁及び名古屋地裁(三庁)の交通専門部の裁判官に発表された「交通事故による逸失利益の算定方式についての共同提言」(いわゆる三庁共同提言)では、逸失利益を算定する際の基礎収入につき「幼児、生徒、学生の場合、原則として全年齢平均賃金による」とされています。
つまり、学生でも逸失利益は認められるし、男女で金額差は生じないことが原則とされているのです。
この扱いは、実務上(少なくとも弁護士が介入した事案では)、かなり定着してきており、地域差はありません。
東京、大阪そして名古屋の裁判所(三庁)だけで参照されている基準ではありません。広島の交通事故であっても同じ基準です。
ラグーンが介入した後の交渉では、この原則どおりに主張し、結果として、当初の提示金額240万円に対し、弁護士介入後は3倍を超える金額800万円で示談をすることができました。
裁判基準のなかでも、例えば慰謝料の相場等は代表的な損害項目であるため分かりやすいところがありますが、それが逸失利益の算定方法であるとか、さらに言えば採用すべき基礎収入の決定方法等になるとやや分かりにくい部分もあります。
その結果、保険会社から言われた内容を鵜呑みにしたり、反論ができなかったりして、残念なことに低額の示談となってしまうケースが発生しているのです。
ラグーンでは、このような事態とならないように、ノウハウを共有して、常に最新の裁判例や実務の動向をアップデートしながら、依頼者にとって最善の解決となるようにサポートさせていただきたいと思います。
弁護士法人ラグーン 広島支店(広島弁護士会所属)
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