大腿骨骨折で後遺障害12級7号。保険会社の過失相殺の主張に対し、無過失で解決した事例

大腿骨骨折で後遺障害12級7号。保険会社の過失相殺の主張に対し、無過失で解決した事例

事件概要

  • 被害者:70代男性
  • 事故の分類:原付バイクで走行中に後方から追突
  • 傷病名:大腿骨骨折
  • 後遺障害等級等:12級7号
  • ポイント:後遺障害申請時に陳述書を追加提出する等のサポートで12級7号の認定がなされました。過失割合は、当初、保険会社は「依頼者側にも過失がある」と主張していましたが、二重追越しの危険性を中心に、当方に過失がないことを反論し、最終的には「依頼者は無過失」という内容で示談できました。

依頼のきっかけ

「弟が事故で入院している。こちらにも過失があると言われているが、保険会社と対等に話し合いをすることができず、このままでは不利になりそうなので、交通事故に強い弁護士に相談したい」

このようなお問い合わせがご依頼のきっかけでした。

ご本人は入院中であったため、担当弁護士が病院へ赴き、ご本人と直接面談し事情等を確認しました。

現在の状況や今後の流れ、後遺障害認定の見通し等をご説明し、ご依頼をお受けすることになりました。

解決までの経緯

大腿骨骨折後の後遺障害認定をサポート

大腿骨骨折により股関節の可動域制限が残っている状態でした。

治療を継続しましたが、経過観察の状態となり、自宅でのリハビリが主になった時点で、症状固定となりました。

治療期間としては4ヶ月程度でした。

症状固定後、ラグーンでは、適切な等級認定を受けられるよう、依頼者から現在の症状や日常生活への影響などを丁寧にヒアリングしました。

依頼者には、事故前から膝に障害があったため、その障害とこの度の事故によって生じた障害が混同されて誤った判断がなされないように説明しておくことが目的でした。

ヒアリングした内容をまとめた陳述書を添付して、後遺障害の申請(被害者請求)をしました。

その結果、股関節の可動域制限について12級7号の後遺障害が認定されました

交通事故では、骨折そのものが治癒していても、関節の可動域制限などの後遺障害が残る場合があります。

そのため、症状固定後の身体の状態を正確に把握し、必要な資料をそろえ(適宜、既存の書類のみでは分かりにくい事情があるときは補足の資料を添えて)後遺障害申請を行うことが重要になります。

保険会社の過失相殺の主張に対し、無過失で解決

本件で大きな争点となったのが、過失割合でした。

より具体的には「依頼者に過失はあるのか」という点でした。

事故当時、依頼者は原付バイクで直進していました。

ところが、前方で道路(側道)の工事が行われていたため、依頼者は工事を避けるために、やや反対車線にはみ出すような形で進路変更をしました。

その際、依頼者の後方から進行してきたトラックが、依頼者の原付バイクを追い越そうとしました(二重追越し)。

しかし、トラックの運転手が対向車の存在に気付き、急に左へハンドルを切ったため、結果的に、依頼者の原付バイクを巻き込むような形で衝突しました。

相手方の保険会社としては、「走行中の事故だから、原付側にも多少なりとも過失があるはず」という主張でした。

これに対し、ラグーンでは、事故の具体的な状況を踏まえて反論をしました。

本件では、相手方車両が二重追越しをしようとしていたことが重要な事情でした。

そもそも二重追越しは道路交通法上禁止される危険な運転です。

当方からは「二重追越しをしてくる車両の存在まで予測(予見)することはできないし、かつ急ハンドルを切られれば回避可能性もない」ということで強く反論をしました。

交渉の結果、最終的には、相手方保険会社も当方の主張を受け入れ、依頼者には過失がない、つまり「過失割合0:100」という内容で示談することができました。

他の損害項目についても、概ね裁判基準での認定がなされたことから、裁判外での早期解決となりました。

弁護士の目 

「走行中だから過失がある」とは限らない

交通事故の示談交渉では、保険会社から「双方が動いていた事故なので、被害者にも一定の過失がある」と主張されることがあります。

実際に、インターネット等で調べると、「道路走行中の事故であれば、何らかの過失責任を問われてしまう」という趣旨の記載はよく見られます。

しかし、交通事故の過失割合は、単に「双方が走行していた」という理由だけで決まるものではありません。

具体的な事情を丁寧に確認して、「実際のところどうであったのか」を一つ一つ検討する必要があります。

実務上は、事故類型に応じて「別冊判例タイムズ39 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」を参照し、「この事故類型では原則〇:〇、修正要素としては〇〇があるので、この場合は〇:〇になる」と判断されることが多いです。

ただ、基本的な事故類型を形式的に当てはめるだけでは、個々の事故の実態を正しく評価できない場合があります。

本来は「0:100」の事案であるのに、基本の割合を出発点にしてしまうと、そこから修正値を当てはめても「0:100までにはどうしてもならない」という類型が存在してしまうのです。

本件でも、進路変更時の事故であるとか、当方が走行中の事故であるという理由で、特定の事故類型に当てはめて、保険会社側は過失相殺の主張をしてきました。 

過失の判断はあくまで形式判断ではなく実質判断(個別・具体的な判断)であるため、被害者側としてはこの点をしっかりと主張立証する必要があります。

被害者側に予見可能性はあったのか、回避可能性はあったのか、法的に整理して説得的に主張をします。

ただ、その主張立証を専門家ではない一般の方が自力で行なうことは困難です。

本件では、まさにこの点に関する懸念が依頼のきっかけになりました。

依頼の結果、適切な主張・立証がなされ、無事に、依頼者の希望に沿った解決に至ることができました。 

骨折などの大きな怪我を負った場合には、過失割合が数パーセント違うだけでも最終的な賠償額に大きな差が生じることがあります。

保険会社の主張が常に正しいとは限りません。

ラグーン広島支店では、一貫して「交通事故の被害者側」の立場から、過失割合の交渉、後遺障害等級の申請、損害賠償額の示談交渉まで、全力でサポートいたします。

 

弁護士法人ラグーン 広島支店(広島弁護士会所属)
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