
主治医との医師面談で治療を継続し、後遺障害非該当から異議申立で14級が認定された事案
- 後遺障害
- 14級
- 異議申立
弁護士法人ラグーン 広島支店(広島弁護士会所属)
事故後、約1週間の段階で、インターネットで検索し、ラグーンへ来所されました。
事故により頸椎捻挫(むち打ち)の怪我を負われていましたが、来所時は、物損の代車料や車両の修理代について、保険会社から十分な説明がなく、妥当な提案であるのか不信感をもったことから、相談と依頼を決断されました。
物損については、受任後、比較的早い段階で示談をすることができました。
物損のみでも、代車料や買替諸費用を追加すると、当初の提示額から、約30万円の増額となりました。
怪我については、受任後、まずは治療に専念していただくことを重視しました。
しかし、当初通院していた整形外科では依頼者にとって納得のいく治療を受けることができず、転院をすることが数回ありました。
また、少しでも体を元通りに戻したいという思いから、整形外科のみではなく、整骨院での施術を受ける事も希望されました。
ラグーンでは、転院後に任意保険会社から速やかに治療費ないし施術費が支払われるよう、任意保険会社に対して、転院の趣旨を事前にしっかりと説明するなどの通院サポートをしました。
症状の改善が見込まれにくくなったことから、約1年の通院期間が経過した時点で、医師面談を実施しました。
依頼者の納得のもと症状固定時期にあるとの診断がなされたため、ラグーンでは被害者請求をすることになりました。
しかし、被害者請求の結果は「非該当」でした。
「非該当」の結果に対して、依頼者と打ち合わせをしました。
「痛みが残っているにもかかわらず、適切な後遺障害等級が認定されないことは納得できない」
「異議申立をして、再度の審理をお願いしたい」というのが依頼者の率直な思いでした。
そこで、ラグーンでは、再度、記録を精査し、事故態様や通院の経過、現在の症状等について整理しました。
これらを異議申立書にまとめて、新たな医証も追加して、万全の準備をして、異議申立をしました。
2度目の申請をした結果、残存する痛みについて「局部に神経症状を残すもの」として、14級9号の後遺障害の認定を受けることができました。
異議申立の結果を踏まえて、加害者側の任意保険会社と交渉をしました。
本件では、依頼者が個人会社の代表者であったため、休業損害や逸失利益の基礎収入について被害者側と加害者側で激しく意見が対立しました。
加害者側の任意保険会社は、損害賠償実務の原則どおり、前年度の源泉徴収票の支払金額をベースに損害額を算定しました。
しかし、依頼者が休業したことにより、依頼者が代表を務める会社は事実上、多大な損害を被っている状況でした。
そのため、依頼者としては加害者側の任意保険会社の提案を受け入れることが困難でした。
そこで、ラグーンでは、依頼者から会社の決算報告書を預かり、隅から隅まで精査し、なぜ依頼者が請求している休業損害や後遺障害逸失利益が適切であるのか、詳細な説明を加えた書面を作成し、交渉に臨みました。
その結果、任意保険会社を説得することができ、当方が主張する休業損害や逸失利益を前提とした和解をすることができました。
治療期間が長くなったり、転院があったりすると、保険会社は「まだですか」「なんで病院を変わるんですか」と冷たい対応を取ることがあります。
このストレスを少しでも軽減するためにも、事故直後から弁護士が介入することには意味があります。
後遺障害の等級認定のため被害者請求をしても、残念ながら思うような判断がなされないケースは存在します。
保険会社が主体となって申請する「事前認定」よりも被害者側が主体となって申請する「被害者請求」のほうが適切な等級認定がなされる可能性は高くなるように思われますが、「被害者請求」をしておけば安心というわけでもありません。
「被害者請求」をしても今回のように「非該当」の判断がなされることはあります。特に、頸椎捻挫(むち打ち損傷)で、痛み等の神経症状が主体となる場合は、「この要素があれば必ず認定される」という基準がないため、思いがけず「非該当」となることがあります。
しかし、「非該当」とされても諦める必要はありません。「異議申立」をすれば良いのです。
「異議申立」の際に、医師の所見を示す資料や症状固定後にも通院しているようであればその資料を追加して再度の審理を求めます。
その際、今回の事案のように、転院が複数あり、治療期間が長期化した場合には、その経過についてもしっかりと整理して説明しておくことがポイントです。
その結論として、当初の被害者請求で「非該当」でも異議申立で「14級」の認定がなされるというケースをラグーンではこれまでにも多く経験してきました。
また、休業損害や後遺障害逸失利益を算定するうえで前提となる基礎収入については、ほとんどのケースで、事故前年度の源泉徴収票の支払金額が参考とされます。
しかし、形式的に、事故前年度の収入をベースにしては、実質的にみると、極めて不当な賠償しかなされないケースがあります。本件がまさにそのような事案でした。本件のようなケース以外にも、例えば、年によって収入にばらつきがある方の場合など、不当な結論になる可能性があります。
このような場合、実質的な損害を被害者側が立証しなければなりません。
保険会社側からすると、通常とは異なるパターンで処理することになりますので、保険会社を説得することは簡単なことではありません。ただ漫然と手持ちの資料を提出するだけでは不十分です。
保険会社からすれば、いくら証拠があっても、その証拠と被害者側の主張の関連性が合理的に説明されなければ、支払いをしようにも支払いをすることができません。
本件では、過去3年分の決算関係書類を精査し、怪我により、どの業務が停滞し、前年に比べてどの程度の減収が生じ、その事実は決算関係書類のこの部分を見れば確認できるということまで、細かく書面で説明しました。
裁判も想定された事案でしたが、細かい立証作業の積み重ねにより、早期解決を実現することができたため、弁護士冥利に尽きる事案でした。
弁護士法人ラグーン 広島支店(広島弁護士会所属)
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