スピードが出るロードバイクは重症化しやすい!鎖骨骨折などの慰謝料と後遺障害

風を切って走る爽快感や、長距離を自分の力で走り切る達成感から、広島でもロードバイク(スポーツ自転車)を趣味や通勤・通学に取り入れる方が増えています。しまなみ海道やとびしま海道など、サイクリストにとって魅力的なルートが多いことも背景にあるでしょう。

しかし、ロードバイクは一般的なママチャリ(シティサイクル)とは全く異なる乗り物です。「スピードが出やすい」「前傾姿勢である」「タイヤが細い」といった特徴から、自動車と接触した際の衝撃は大きく、大事故(重傷事案)に直結する危険性を抱えています。

中でも、ロードバイクでは肩から転倒することが多いため、「鎖骨骨折(さこつこっせつ)」の発生頻度が他の怪我に比べて多いとされています。

鎖骨骨折は、激しい痛みを伴うだけでなく、治療後も「骨が曲がってくっついた」「腕が上がらなくなった」といった後遺症(後遺障害)を残しやすい厄介なケガです。しかし、相手方の保険会社は、こうした後遺障害に対して、自発的に適正な補償(弁護士基準での慰謝料)をすることはありません。

ここでは、広島で交通事故被害の解決に注力する弁護士が、ロードバイク事故が重症化しやすい理由、ロードバイクの事故で揉めやすいポイント、鎖骨骨折で認定される後遺障害等級の基準、そして適正な慰謝料や逸失利益を獲得するための必須知識を詳細に解説します。

目次

1. なぜロードバイクの事故は「重症化」しやすいのか?

自動車と接触した場合、一般的な自転車であってもケガを負いますが、ロードバイクの場合は以下の理由から、骨折や頭部外傷などの重傷(長期入院・手術を要するケガ)を負いやすい傾向にあります。

1-1. 原付バイク並みの「スピード」が出ている

ロードバイクは車体が非常に軽く、少しペダルを踏み込むだけで時速30km〜40kmのスピードが簡単に出ます。これは原付バイクとほぼ同じ速度域です。 下り坂であればさらにスピードがでて、時速60kmを超えることもあります。スピードが出ている状態で、左折しようとした自動車に巻き込まれたり(左折巻き込み事故)、急に開いた車のドアに衝突したり(ドア開け事故)すると、ライダーはすさまじい勢いで空中に放り出され、強烈な衝撃でアスファルトに叩きつけられます。

1-2. 「前傾姿勢」と「ビンディングペダル」による回避の遅れ

ロードバイクは空気抵抗を減らすために深い前傾姿勢で乗車します。そのため、頭部が低い位置にあり、衝突時に頭や顔、肩から直接地面に突っ込むリスクが高くなります。

また、ペダルとシューズを固定する「ビンディングペダル」を使用している場合、咄嗟の事故の瞬間に足を外すことができず、自転車ごと引きずられたり、受け身を取れずに肩から落下したりするため、ダメージが一点に集中してしまいます。

1-3. 身体を守るものが「ヘルメットと薄いウェア」しかない

原付バイク並みのスピードが出ているにも関わらず、ライダーの身体を守る装備はヘルメットと薄いサイクルジャージしかありません。 転倒して地面を滑走すれば、皮膚が広範囲にわたって削り取られる重度の擦過傷(いわゆる「ロードラッシュ」)を負い、傷跡が一生残ってしまうことも珍しくありません。

2. ロードバイク事故で揉めやすいポイント

2-1. 過失割合で揉める

ロードバイクは速度が出やすい乗り物です。また、自動車に比べて小さいため死角に入りやすく、その分、自動車側からの発見が遅れることもあります。そうすると、自動車側からすれば、「突然現れた」「速度を出していたはず」と感じやすく、「ロードバイクの動きがおかしかった」「速度超過があった」等と主張されやすくなります。

2-2. 修理費用や時価額で揉める

ロードバイクはシティサイクルに比べると高価です。エントリーモデルでも10万を超えるものはありますし、ハイエンドモデルになると100万以上のものも存在します。そのため、事故で損傷すると、修理費は高額になり、経済的全損になると時価額を巡って双方の言い分が食い違うことが多々あります。

2-3. 後遺障害等の人身損害で揉める

鎖骨骨折では変形治癒することがあります。変形障害の場合、保険会社側が「鎖骨の変形があっても労働能力には影響しない(から逸失利益はない。又は少ない)」と主張することは本当に多くあります。変形治癒と同時に疼痛や可動域制限が残存しているケースは多いため、被害者側からすると到底受け入れられない主張です。そのため、人身損害の賠償金額、特に逸失利益を争点として揉めることになります。

3. ロードバイク事故で最も多い「鎖骨骨折」と治療の注意点

ロードバイクの事故で救急搬送された際、診断名として最も多く告げられるのが「鎖骨骨折」です。鎖骨は、胸の中央(胸骨)から肩(肩峰)にかけて伸びている、なだらかなS字型の骨です。

3-1. なぜ鎖骨が折れやすいのか?

ロードバイクで転倒した際、人間は咄嗟に手をつくか、あるいは受け身が取れずに肩から直接地面に激突します。 腕や肩から伝わった強烈な衝撃は、胴体と腕を繋いでいる「鎖骨」に集中的に逃げる構造になっているため、耐えきれなくなった鎖骨がポキっと折れてしまうのです。

3-2. 治療法(保存療法と手術療法)

鎖骨骨折の治療には、大きく分けて2つの方法があります。

3-3. 保険会社からの「治療費打ち切り」に要注意

鎖骨骨折は、骨がくっつくまでにある程度の時間がかかります。しかし、事故から3ヶ月〜半年程度が経過すると、相手の保険会社から「そろそろ骨もくっついたはずですので、治療を終了(症状固定)にしませんか」と、治療費の打ち切りを打診されることがあります。

レントゲン上で骨がくっついていても、肩の動かしにくさや痛みが残っており、リハビリが必要な段階であれば、治療をやめてはいけません。主治医と相談し、必要であれば弁護士を通じて治療期間の延長を交渉する必要があります。

4. 鎖骨骨折で認定される「後遺障害等級」とは?

鎖骨骨折の治療を終え、「これ以上リハビリをしても良くならない状態(症状固定)」となったときに、以下のような症状が残っていれば「後遺障害等級認定」を申請します。 鎖骨骨折では、主に「変形障害」「機能障害」「神経症状」の3つの後遺障害が認定される可能性があります。

4-1. ① 骨が元どおりにくっつかない「変形障害(12級5号)」

鎖骨は皮膚のすぐ下にあるため、骨折部がズレたままくっついたり(変形癒合)、過剰に骨の組織が形成されたりすると、外から見てボコッと出っ張っているのが分かるようになります。

これを「変形障害」と呼び、「裸体になったときに、明らかに鎖骨が変形していることが目視で確認できる状態」であれば、後遺障害12級5号(鎖骨に著しい変形を残すもの)が認定されます。レントゲンを撮らなくても、服を脱いだ状態で他人が見て「曲がっている」と分かるレベルであることが条件です。レントゲン等の画像上で曲がっているように見えるだけでは足りません。

4-2. ② 肩が上がらなくなる「機能障害(可動域制限)」

鎖骨を骨折すると、それに連動する「肩関節」の動きに制限が出ることがあります。「腕が上まで挙がらない」「後ろに回せない」といった症状です。 健康な側の肩(健側)と比べて、ケガをした側の肩(患側)がどれくらい動かなくなったかによって、以下の等級が認定されます。

機能障害に関して、保険会社は「可動域制限を裏付ける医学的な根拠がない」等と主張して争ってくることがあります。MRI等の画像所見と、主治医による正確な可動域測定が必須となります。

4-3. ③ 痛みや痺れが残る「神経症状」

骨はくっつき、肩の動きにも大きな制限はないものの、「雨の日や寒くなると鎖骨周辺がズキズキ痛む」「腕に痺れ(しびれ)が残っている」といったケースです。

5. その他、ロードバイク事故特有の重篤な後遺障害

鎖骨骨折以外にも、ロードバイクの事故では以下のような深刻なケガや後遺障害が発生しやすいため注意が必要です。

5-1. 頭部外傷と「高次脳機能障害」

ヘルメットを被っていても、時速30km以上で車に衝突して頭を強打すれば、ヘルメットが割れるほどの衝撃を受けます。 脳内出血や硬膜下血腫などを起こし、一命を取り留めても、退院後に「物忘れが激しくなった」「怒りっぽくなった」「集中力が続かず仕事ができない」といった症状が現れることがあります。これは「高次脳機能障害」と呼ばれ、最重度であれば1級や2級といった極めて高い後遺障害等級の対象となります。

5-2. 重度の擦過傷による「外貌醜状(がいぼうしゅうじょう)」

アスファルトで顔や腕、脚の皮膚を広範囲に削り取られ(ロードラッシュ)、治療後も大きな傷跡(ケロイドや色素沈着)が残ってしまった場合です。 顔や首、頭部などの人目につく日常露出面に大きな傷跡が残った場合は「外貌醜状」として、7級、9級、12級といった後遺障害が認定されます。また、腕や脚の露出面に手のひら大以上の醜い傷跡が残った場合は14級が認定されます。

6. 慰謝料と逸失利益を「弁護士基準」で最大化

後遺障害等級が認定されると、相手方の保険会社から「示談金のご案内」が届きます。しかし、そこに記載されている内容で、すぐにサインをしてはいけません。

6-1. 保険会社の提示額は「本来払ってもらうべき金額の半分以下」かも?

交通事故の慰謝料には、「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準(裁判所基準)」の3つがあります。 保険会社が提示してくるのは、低い基準(自賠責基準や任意保険基準)です。ロードバイク事故で鎖骨を骨折し、長期の治療と痛みに耐えた被害者に対して、平然と低い金額を提示してきます。

6-2. 弁護士が介入すれば「数百万円単位」で増額する

適正な金額である「弁護士基準」で賠償金の支払いを受けるためには、弁護士に代理人として交渉してもらう必要があります。例えば、鎖骨骨折で後遺障害が認定された場合の「後遺障害慰謝料」を比較してみましょう。

【例:鎖骨の変形障害(12級)が認定された場合】

これだけでも約200万円の差額が生じます。これに「入通院慰謝料(治療期間に対する慰謝料)」の増額分を加えると、賠償金総額が数倍に増額することも珍しくありません。

6-3. 将来の減収を補償する「逸失利益」を正しく計算する

後遺障害が認定されると、慰謝料とは別に「逸失利益(いっしつりえき)」という大きな賠償金が請求できます。これは「後遺症が残ったことで労働能力が低下し、将来得られるはずだったのに失われてしまった収入」のことです。

保険会社は、鎖骨の変形障害(12級5号)に対して、「骨が曲がっているだけで、腕は動くのだから仕事(デスクワークなど)に影響はないだろう」と主張し、逸失利益をゼロ円、あるいは極端に少なく見積もって提示してくることが多々あります。 弁護士は、被害者の具体的な職業(営業職、現場作業、重い物を持つ仕事など)を踏まえ、変形や痛みがどのように仕事に悪影響を及ぼしているかを詳細かつ論理的に主張します。

7. 高額なロードバイクの「物損トラブル」も弁護士に任せる

前述のとおり、ロードバイクの事故において、ケガの補償(人身損害)と同じくらい激しいトラブルになるのが、自転車本体や装備品の補償(物損)です。

7-1. カーボンフレームの割れと「時価額」の壁

カーボンフレームにクラック(ひび割れ)が入った場合、安全上フレーム交換が必要になります。数十万円〜100万円以上するロードバイクが全損になった場合、保険会社は「購入から年数が経っているので、現在の価値(減価償却後の時価額)は購入額の20%しかありません」と主張してきます。

弁護士は、購入時の領収書、カスタムパーツの明細、専門店での修理見積もり、そして「スポーツ自転車は適切にメンテナンスをすれば価値が下がりにくい」という特性を主張し、少しでも高い賠償額を引き出す交渉を行います。

7-2. ヘルメットやサイクルウェアの損害も請求可能

ロードバイクに乗るための装備品は高額です。事故の衝撃で割れたヘルメット、破れたサイクルジャージやビブショーツ、傷が入ったビンディングシューズや高価なアイウェア(サングラス)、破損したサイクルコンピューター(Garmin等)は、すべて損害賠償の対象となります。 これらも保険会社との交渉が煩雑になるため、人身事故の交渉と併せてすべて弁護士に任せることができます。

8. 弁護士費用特約を使えば実質負担ゼロで依頼が可能

「弁護士に依頼すると費用が高くついて、結局手元に残るお金が減るのではないか?」と心配される方も多いでしょう。

ご自身や同居のご家族が加入している自動車保険や火災保険に「弁護士費用特約」が付帯されていれば、費用倒れの心配はありません。 自転車(ロードバイク)運転中の事故であっても、ご自身の自動車保険の特約が使えるケースが大半です。この特約を使えば、相談料や着手金、報酬金などの弁護士費用を最大300万円まで保険会社が代わりに負担してくれます。

大半の交通事故において弁護士費用が300万円を超えることはないため、被害者の方は実質的な自己負担ゼロ(0円)で、プロの弁護士にすべてを任せることができます。(※特約を使っても保険の等級が下がることはありません)

8. まとめ:広島でロードバイク事故に遭ったら弁護士にご相談を

スピードの出るロードバイクの事故は、鎖骨骨折をはじめとする重大なケガを引き起こし、被害者のその後の人生(仕事や趣味)に大きな影を落とします。

これらすべての問題から被害者を守り、正当な権利を実現するためにサポートするのが「交通事故に強い弁護士」です。保険会社から送られてきた示談書に一度でもサインをしてしまうと、やり直しはききません。

当事務所では、広島県内および近隣エリアでスポーツ自転車・ロードバイクの事故被害に遭われた方々のサポートに力を入れています。被害者の方が一日も早く適正な賠償を受け取り、再び前を向いてペダルを漕ぎ出せるよう、全力で闘います。 どんな疑問やご不安でも構いません。示談に応じる前に、ぜひ一度当事務所の無料相談をご活用ください。

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